ボクは一瞬おののいた。
ちょっと待てキミはいきなりこのボクの私生活に踏み込むのかキミとはそんな仲だっけイィィヤイヤイヤまだまだそんな親しくはなかろうも。

ところではたして、オレっていい夫なのか？？
……なんて悩む前にボクは結婚していないし。
差出人もおそらくそれを知ってのことだと思うし。

それを考慮すると、
一瞬どういったリアクションを求められているのだろうと
苦悩にうちふるえもんもんとしていたため、しばらく返信する手が固まっていたが
百歩ゆずって結婚生活をしているとして
ボクなんぞがいかに良い夫で日々を送っているか
という確証を得たところで何のメリットがあるというのか。

そもそも、良い夫とはなんぞや？
稼ぎか？　セックスか？
それとも娘に「パパの洗濯物と一緒にしないで」と言われないレベルの加齢臭保持者であれば合格か？
それとも……

と、混乱しかけた矢先、
ふとボクの別段なんら明晰でないプロファイリングが作動しだし

そうか、もしかして差出人は
「～で大丈夫ですか？」
とはじめ書いてたんだが、
「～でよろしいですか？」
のほうが、より丁寧な印象なんじゃないかしらん
ということで「大丈夫」を消したつもりが
「夫」を消し忘れたことに気づかなかったのではないか？？

これだ！

そのプロファイリング結果を差出人に提出はしなかったけれども
まあこんな失敗は誰にでもあることだから
自分も気をつけようと思う。


ではまた。

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